王様に逆らった時【完】
「お前のクラスは何になったわけ?」
帰り道。
今日はバスケ部がお休みで想ちゃんと一緒に帰っている。
安定のカバン持ち。
「シンデレラに決まったよ!」
「へえ、まあお前はせいぜい樹木役とかだろ」
チラッと私を見下して、微笑む想ちゃん。
「あの、違うくてっ、」
主役に選ばれたことを言わないと!
ぎゅっと想ちゃんの鞄を握りしめて言葉を発そうとしたとき、
「あーー!想太!!!」
校門を通る直前、その大きな声に吐息ごと掻き消される。
前から走ってきたのは今朝の明るくて可愛い先輩だった。
「どうしたんだよ。」
「輝明見なかった!?」
…輝明?どこかで聞いたことあるような。
「いや、見てないけど。」
んー、と思い返す仕草をする想ちゃん。