王様に逆らった時【完】
あれから練習の日々。
気がつけばあったゆうまに文化祭当日。
想ちゃんにはタイミングを逃し続けて、シンデレラ役になったことは言えてないままだった。
「いよいよだね!」
今は、本番直前。
衣装も着て、お化粧も済ませて舞台袖にスタンバイしてる。
「うん!」
…緊張して震えてきちゃった。
「さくらなら出来るよ!」
「ありがとうっ。」
まきちゃんの言葉に元気付けられる。
そうだよねっ。この1ヶ月間の努力を無駄にするわけにはいかない。
「立間さん、頑張ろうね」
王子様の格好をしている佐久間くんが現れる。
試着の時も女子たちを騒がせていた王子様姿はやっぱりカッコいいと思う。
「うんっ。宜しくね。」
前の劇が終わり、15分の間にセットを設置していよいよシンデレラが始まる。
上がる幕にドキドキは最骨頂に達した。
照らすスポットライトに、沢山のお客さん。
「私も舞踏会へ行きたいわ。」
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「まあなんて、綺麗なドレスなの!」
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「鐘がなるまえに帰らなくてはっ、」