王様に逆らった時【完】
その言葉に幸村先輩の瞳が揺れた。
「いるよ。…東野輝明って知ってる?」
伏せ目がちに、少し照れ臭そうにいう幸村先輩。
みたことのない表情をしている。
輝明…どこかで聞いたような。
あっ、思い出した!
「輝明って…あのバスケ部の?」
あの笑顔が素敵で人懐っこい、明るい人!
想ちゃんと仲良さそうだったあの人か。
そういえばこの間も幸村先輩が探してた人!
「そうそう。想太とも仲のいいあいつ!幼馴染でさ、ずっと好きなんだけどあいつあんなんでしょ?ぜーんぜん気づいてくれないんだよね。」
困ったように微笑む幸村先輩に胸がキュンとする。
こんな可愛い人に好かれてる輝明先輩はすごい。
「…すごくお似合いですね」
二人とも明るくて、元気で、周りを笑顔にする力がある。