王様に逆らった時【完】
「はい…いつだって意地悪だし…」
想ちゃんに何も言い返せないも悪いけど、年齢と比例して王様度合いがエスカレートしていっている気がする。
想ちゃんは私に嫌われたってなんの損もないもんね。
「じゃあさ、可愛くなって想太をドキドキさせてみない?」
「でも私が可愛くなるなんて不可能…」
こんな私を可愛く、なんてきっと何よりも難しいことだと思う。
…今だってシンデレラの格好をしているけど、何も自信がない。
「いやいや!今のその格好!シンデレラすごく可愛いよ?メイクも化粧もドレスも似合ってる!」
『自信持って!』と笑ってくれるけど、到底信じられない。
そういえば準備してる時も、クラスメイトの人たちもみんな『可愛い』って言ってくれたなぁ。
「あ、ありがとうございます。」
…みんななんて優しいんだろう。