王様に逆らった時【完】
「ずっと気になってたんだけど、どうしていつもあんな地味スタイルなの?」
「前髪も、髪型も、スカートの丈も想ちゃんの指定で…」
『お前が華の女子高生になんてなれねぇよ』入学式そうそうにかけられた言葉を思い出す。
想ちゃんと同じ高校に通うって決まったからには、幼馴染でも恥ずかしくないようにしようとスカートも短くして、慣れないメイクもしたのにそれは登校一秒で全否定された。
…あのとき見た氷点下の表情は忘れない。
「え!?あいつ、どんだけ独占欲あるの!?」
「ど、どく?」
どくせんよく?
なんだろうそれ。森林浴みたいなやつ?
「いつもそんな命令聞いてるんだ?」
「…す、好きだから、」
あんな格好してたら周りの人に想ちゃんにふさわしくないって思われるかもしれないけど、想ちゃんに嫌われてしまう方が私には辛い。