王様に逆らった時【完】
王様に逆らった時。
「これでいいんだよね…?」
朝7時半。
鏡の前に映る自分の姿をじっと見つめる。
「まし、だよね…?」
いつものダサダサコーデより全然まし。
緩く巻いた髪、前髪も巻いて流した。
スカートの丈はみんなと同じくらい短くして、メイクだって頑張った。
下地をして、ファンデして、マスカラに、リップこれだけでだいぶ垢抜けた気がする。
「あら!さくらどうしたの!」
リビングに降りるとお母さんが目をまん丸にしていた。
「た、たまにはおしゃれしたくて…」
文化祭のあの日から私は幸村先輩の特訓を受けた。
コスメのこととか、アイロンの使い方とかコツコツと教えてもらってなんとか自分でも納得できるほどの技術を身につけた。
難しくて、女の子はみんなこんなことしてるのかと尊敬した。
…これで想ちゃんも可愛いって思ってくれるかな。