王様に逆らった時【完】
すると、
「お、この子が想太の幼馴染?!」
「噂通り超可愛いじゃんー!」
「いや、天使すぎんだろ」
次々と現れる、想ちゃんのお友達に混乱する。
…想ちゃんは本当にお友達が多いんだ。
「ねえ、連絡先教えてよ!」
はい、と差し出されるスマホに戸惑う。
少しチャラそうな先輩。
慣れていない先輩たちに体が震える。
「ダメ。」
だんだん黒さを増していくオーラ。
「なーんで、想太が答えんだよー!」
いつも以上に不機嫌な想ちゃんに違和感を覚える。
「チッ、んで、伝言ってなに?」
めんどくさそうに交わされる会話。
めんどくさそうな目。
胸がギュッと痛くなる。
「…えと、牛乳帰りに買って帰ってきてほしい、って。」
「あっそ。…わかったから早く教室戻れよ。」
「っ、」
それだけ言って、教室のドアを閉められてしまった。
締め付けられて痛くなる胸。
…はあ、こんなことになるなら私が牛乳買って、筧家に届ければよかった。