王様に逆らった時【完】
輝く王様の姿
それから数日後、帰ろうと思い廊下を歩いているとバスケ部の人たちとすれ違った。
その人たちの中には想ちゃんはいなかった。
…練習着姿みたかったなぁ、なんて少し残念に思う。
「あれ!?君この間の、幼馴染ちゃん?」
「…あっ、こ、こんにちはっ」
この間、想ちゃんの教室に行った時に話しかけてくれた人だった。
ニカっと笑う笑顔は人懐こい。
この人もバスケ部だったんだ。
「今帰るところ?」
「…はい。」
「あ、バスケ部見てく?」
その発言に少し心が揺れる。
「いや、でも、怒られるかもしれないので、」
本当は一度でいいから見てみたい。
でもきっと不機嫌になって怒られてしまう。
「大丈夫大丈夫!俺がうまく言うからさ!想太も絶対喜ぶって!」
そういうと有無を言わさず手を引っ張って、体育館へ連行される。