王様に逆らった時【完】
ダンダンとバスケットボールを弾く音が響く体育館。
「想太ー!お前の可愛い幼馴染つれてきてやったぞー!」
私の手を引きながら体育館の中に入っていく先輩。
想ちゃんがこっちを驚いた顔で見ているのが見えた。
…想ちゃんの、練習着姿。
かっこよすぎて、見惚れる。
ヘアバンドをしていて、汗をかいている想ちゃんはいつもと違う輝きをしている。
「チッ」
盛大なる舌打ちをされて、想ちゃんが私たちのほうへ向かってくる。
…やっぱりすごく怒ってる。
その視線は私たちではなく、繋がれている手。
「離せ。」
想ちゃんの手が強引に入ってきて、私たちの手を引き裂く。
そういえば引っ張っられてきたから、ずっと繋ぎっぱなしだった。