自己喪失の救済
異変
高校二年、クラスも馴染んだ五月頃。
「いいじゃん、俺と付き合えよ」
「いや、あの、私は全くそんなつもりはなくて……ごめんなさい」
少女は、体育祭の打ち上げで集まったカラオケボックスのステージで競演したクラスメイトから告白を受ける。
彼女にとっては予想外であったが、単純に相手に興味がなかったこともあり断るほかなかった。
「え、俺が付き合いたいって言ってるのに断るの?え?」
相手は半笑いで少女に詰め寄る、と言っても少女の方が相手よりも身長が高かったのでどちらが詰め寄ったか分かりにくい構図だが。
「ちょっと、やめなよ。嫌がってるじゃん」
「いくらなんでもやりすぎじゃないか」
他のクラスメイトからも高圧的な態度を取る彼を注意するような声が飛び交った。
「すみません、ごめんなさい……!」
少女は六年間女子校にいたこともあって恋愛事情には一切の関心がなかったが、急に異性から詰め寄られたことで気が動転してしまった。
「いいじゃん、俺と付き合えよ」
「いや、あの、私は全くそんなつもりはなくて……ごめんなさい」
少女は、体育祭の打ち上げで集まったカラオケボックスのステージで競演したクラスメイトから告白を受ける。
彼女にとっては予想外であったが、単純に相手に興味がなかったこともあり断るほかなかった。
「え、俺が付き合いたいって言ってるのに断るの?え?」
相手は半笑いで少女に詰め寄る、と言っても少女の方が相手よりも身長が高かったのでどちらが詰め寄ったか分かりにくい構図だが。
「ちょっと、やめなよ。嫌がってるじゃん」
「いくらなんでもやりすぎじゃないか」
他のクラスメイトからも高圧的な態度を取る彼を注意するような声が飛び交った。
「すみません、ごめんなさい……!」
少女は六年間女子校にいたこともあって恋愛事情には一切の関心がなかったが、急に異性から詰め寄られたことで気が動転してしまった。