自己喪失の救済
堕ちる感覚*
この件を契機に少女は学校へ行きづらくなり、不登校を始めてしまった。
母には全て事情を説明したが、数日は仮病を使い、母を経由して担任に話してもらうことにした。
少女はこのとき、中学校の日々を思い出した。
また逆戻りだ。
また不登校だ。
またろくでなした。
(ああ……この予鈴、毎日聴いていた……)
近所の高校の予鈴が鳴った。
「ぎゃあああああ」
少女は音で表現し難いような、本当に人間の身体から出ているのかを疑うほどの呻き声を出した。
そして気がつくと、少女の手は自身の首を掴んでいた。
息苦しさに咳が止まらなくなる。
(私も堕ちたな……)
少女は一度学校に行くことができるほどに復活したはずの自分がまた落ちこぼれになったことをひどく後悔した。
そして、高校生になってまでこのようなことをしている自分が許せなかった。
この不登校期間は一週間ほどで終わり、相手とも和解することで学校にも行けるようになったが、少女はまた、後ろ指を指されているような感覚を背負ったまま半年を過ごす。
母には全て事情を説明したが、数日は仮病を使い、母を経由して担任に話してもらうことにした。
少女はこのとき、中学校の日々を思い出した。
また逆戻りだ。
また不登校だ。
またろくでなした。
(ああ……この予鈴、毎日聴いていた……)
近所の高校の予鈴が鳴った。
「ぎゃあああああ」
少女は音で表現し難いような、本当に人間の身体から出ているのかを疑うほどの呻き声を出した。
そして気がつくと、少女の手は自身の首を掴んでいた。
息苦しさに咳が止まらなくなる。
(私も堕ちたな……)
少女は一度学校に行くことができるほどに復活したはずの自分がまた落ちこぼれになったことをひどく後悔した。
そして、高校生になってまでこのようなことをしている自分が許せなかった。
この不登校期間は一週間ほどで終わり、相手とも和解することで学校にも行けるようになったが、少女はまた、後ろ指を指されているような感覚を背負ったまま半年を過ごす。