保健室でイケナイ関係(短)


「ひゃうッ!?」



男の人の吐息、その生暖かい温度、そして少しだけ当たった唇――僅か一瞬のことだったのに、私の耳は全て記録したようで、男の人が私から離れた今でも、いつまでも余韻が残っていた。



「な、なに……何するんですかッ!」

「危なっかしいっていうのは、こういう事。ダメだよ、自分しか教室にいないのに、むやみにカーテンを開けたら。襲われたらどうするの」

「お、襲われるって……」

「君がたまに保健室で休んでるって言うのは噂になっているよ」

「え、そうなんですか?」

「うん。だから、君の寝込みを襲おうとする男がいるかもしれない。だから、今度から気を付けなきゃいけないよ。

上履きも、外から見えない位置に脱がないと、中にいるのが君だってバレちゃうからね」

「は、はい……」

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