保健室でイケナイ関係(短)
「先輩、じゃなくて――お兄ちゃんって呼んで」
「ふぁ……っ」
さく先輩は耳元に近づいてきて、囁くように甘い声で話す。
強気な表情なのに、甘い言葉――これは結構、クル。
「や、やめてください……っ」
「やめてっていう割には、俺を押し返す事もしないで――そんなに顔を赤らめて、本当に嫌がってる?」
「世の中にはルールというものがあるんです!」
「ルール?」
本当に分からない、というキョトン顔でさく先輩は私の頬をスルリと撫でる。触れるか触れないかの絶妙な触れ方に、私の全身の神経が敏感に反応した。