保健室でイケナイ関係(短)
「あ、ちょ……し、真剣な話なんです!」
「ぐえ」
先輩の顎を平手で押し返して、何とか話せる状況を作る。
さく先輩は、私の上から降りる気はないのか、面倒くさそうに自分の猫ッ毛の髪をクルクル女子みたいに指に絡めていた。
その姿を見て、私の口からため息が出たのは、言うまでもなくて……反対に気合が入る。
だって、この人、あまりにも世間をしらないんだもん!
さく先輩は、きっとポンコツなんだ。
だから、私が一から教えてあげないと!
「いいですか、さく先輩。血が繋がっている者同士は、恋愛をしちゃいけないんです」
「結婚しちゃいけないんじゃかった?恋愛もダメなの?」
「え?」
「内緒で恋愛すれば、何も問題はないよね?」
「まあ……言われれば、確かに……」