保健室でイケナイ関係(短)

押し倒されたまま考える私。さく先輩はそんな私を見て「じゃあいただきまーす」とキスをせがんで来た。

いや、待って。


待って!



「でもそれ以前に!

いつ、私が先輩の事を好きって言いました!?」

「え、言ってないけど?」

「じゃあ恋愛のれの字も始まっちゃいないですよ、やめてください。キスしないでください」

「さっきはあんなに気持ちよさそうにしたくせに……」

「(う、バレてる……っ!)」



さっきはさっき、今は今!

だけど、さく先輩は「でも絶好の機会だと思うよ」と私を試すように怪しく笑った。



「俺みたいなイケメンに漫画のセリフを言わせたいんでしょ?今この状況で、格好の条件が揃ったわけだよ」

「格好の条件?」

「そう、つまり――血のつながった兄妹の禁断の恋愛」

「……」



スンと黙った私を見て、さく先輩は首をかしげる。

< 34 / 44 >

この作品をシェア

pagetop