保健室でイケナイ関係(短)
押し倒されたまま考える私。さく先輩はそんな私を見て「じゃあいただきまーす」とキスをせがんで来た。
いや、待って。
待って!
「でもそれ以前に!
いつ、私が先輩の事を好きって言いました!?」
「え、言ってないけど?」
「じゃあ恋愛のれの字も始まっちゃいないですよ、やめてください。キスしないでください」
「さっきはあんなに気持ちよさそうにしたくせに……」
「(う、バレてる……っ!)」
さっきはさっき、今は今!
だけど、さく先輩は「でも絶好の機会だと思うよ」と私を試すように怪しく笑った。
「俺みたいなイケメンに漫画のセリフを言わせたいんでしょ?今この状況で、格好の条件が揃ったわけだよ」
「格好の条件?」
「そう、つまり――血のつながった兄妹の禁断の恋愛」
「……」
スンと黙った私を見て、さく先輩は首をかしげる。