保健室でイケナイ関係(短)
唇に、少し触れるだけのソフトキス。
さく先輩はそれだけで満足したのか、私からあっけなく離れる。
だけど――困ったのは私の方だ。
何に困ったかと言うと、
「(足りない……)」
さっきあれだけ濃厚なキスをしといて、去り際に小鳥がついばむようなキスを一回されただけじゃ……モヤモヤして、「もっと」ってねだりたくて仕方ない。
「じゃあ俺いくね、もう授業終わるから美奈ちゃんも、」
「……っ」
あぁ、ダメなのに。
こんな事、絶対言ったらダメなのに。
でも――私の口は動いてしまった。