保健室でイケナイ関係(短)

「え、今なにか言いました?」

「だから……――

美奈ちゃんを好きな気持ちは芝居じゃなくて、本当ってこと」

「!?」



ほんのり顔を赤くした先輩は、私から距離をとってそそくさと、保健室のドアへ移動する。

そして、



「美奈ちゃんの鈍(にぶ)ちん、ド変態」



と、変態のさく先輩から、ボソッと捨て台詞を吐かれた。


バタンっ


残ったのは、呆然とする私。ただ一人。



「……つまり、え?」



今までの事が全部夢みたいで、処理が追い付かない。


いや、え、ちょっと待って。

結局、さく先輩は私が好きってこと?

お兄ちゃんとしてこの保健室に来たわけじゃなくて、私を見る野次馬の一人としてきたの?

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