子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
「結婚を機に父の会社が今以上の大口の契約をしてくれるらしいのよ。辰上社長もとっても喜んでくれたの。あれ? どうしたの? 円花ちゃん、黙り込んじゃって」
「あ、いえ。それはどうも、おめでとう、ございます」
声が震えているのがわかる。
「ありがと。ごめんねー引き止めちゃってー」
まるでスキップするように弾みながら時野さんは行ってしまった。
疾風さんと、彼女が。
婚約……。
お祝いの言葉を言うだけで精一杯だった。
給湯室を出て廊下を進むが、頭の中は真っ白だ。
まるで時間が止まったように彼女の言葉がリピートする。
『お相手はこの会社の御曹司、疾風さんよ』
時野さんが、疾風さんと結婚する。
夕べ電話で話をしたとき、疾風さんは婚約なんて言ってなかった。
彼を信じないわけじゃない。
でも、もし彼が時野さんとの縁談を断るつもりなら、彼女は絶対に黙っていない。お父さんにお願いして復讐するだろう。そうなったら、この会社は私のせいで――。
そんなの嫌。
「あ、いえ。それはどうも、おめでとう、ございます」
声が震えているのがわかる。
「ありがと。ごめんねー引き止めちゃってー」
まるでスキップするように弾みながら時野さんは行ってしまった。
疾風さんと、彼女が。
婚約……。
お祝いの言葉を言うだけで精一杯だった。
給湯室を出て廊下を進むが、頭の中は真っ白だ。
まるで時間が止まったように彼女の言葉がリピートする。
『お相手はこの会社の御曹司、疾風さんよ』
時野さんが、疾風さんと結婚する。
夕べ電話で話をしたとき、疾風さんは婚約なんて言ってなかった。
彼を信じないわけじゃない。
でも、もし彼が時野さんとの縁談を断るつもりなら、彼女は絶対に黙っていない。お父さんにお願いして復讐するだろう。そうなったら、この会社は私のせいで――。
そんなの嫌。