子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
あれから一週間が経ち、毎日が慌ただしい。
彼は私に高所恐怖症だと言われたのが相当ショックだったらしく、疾風さんはどうしても引っ越すといってきかなかった。夜景は好きだと訴えても、説得力はなかったらしい。
当面は疾風さんが私のアパートで暮らすと言いだして、それは全力でとめた。
お風呂に入っている横でトイレを使うとか絶対に無理だもの。
早急に引っ越し先を探すとして、それまでの間、ホテル暮らしか辰上家の邸の二択になり、私は辰上家を選んだ。
『まあせいぜい一週間程度にしても、本当にいいのか?』
『うん。大丈夫。私お義母さまに色々教えていただきたいし』
疾風さんは何度も何度も私に『無理はするなよ?』と聞いてきた。
『無事子どもが生まれるまで、お義母や家政婦さんたちに色々教えてほしいの』
そう伝えたら納得してくれた。
正直、出産が少し不安なのだ。