子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
「えっと、実は昨日籍を入れました。それか――」

 続きは先輩の悲鳴で消えた。

「キャー」

 ま、いいか。妊娠の報告は明日にしよう。

「新居は?」

「今探していて、今週末には決める予定です」

「おお、着々と進んでいるのね。結婚式はいつ?」

「来年になりそうです」

 披露宴には是非参加してくださいねとお願いし、先輩はとても楽しみだと喜んでくれた。

 結婚式は出産後になりそうだ。

 辰上家の後継者として、疾風さんの御披露目を兼ねるそうだから、大掛かりになるんだと思う。

 私はもう開き直っている。

 なるようになれ。ならぬなら、疾風さんに背負ってもらってなんとかしてもらう。

 そう思ったらすべてを乗り越えられる気がしてくる。

「時野さんも辞めて秘書課も平和になったし、円花ちゃんは結婚だし、いいことづくしだわ」

 時野さんと聞いて苦笑する。

 彼女が会社を辞めたのは、私と疾風さんで彼女に詰め寄った次の日だった。

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