子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
 時野グループの契約が心配だったけれど、逆に契約は増額されたのだ。

 彼女の父親が事情を知り、彼女とご両親が辰上邸に謝罪に来た。

 私の体調を心配し、疾風さんとお父さまが接客した。後から聞いた話によると、彼女は終始うなだれたままだったそうだ。

 今回の件だけでなく、疾風さんは過去に辞めていった秘書課の女性たちからも証言を集めていた。イジメや嫌がらせ。なかにはいまだに精神的ショックから立ち直れない女性もいるらしい。
 それを聞いた彼女の父親が絶句したのは言うまでもない。

 青くなって震える彼女の隣で、ご両親は泣いたらしい。

 話し合いの末、弁護士立ち会いのもと、事実を認め今後いっさい私たちに迷惑をかけないと約束して告発を取りやめる約束をした。

 ちなみにお父さまは、本気で疾風さんと時野さんの縁談をすすめたわけではなかったようだ。
 藤原専務に聞いたところによると、彼女の横暴に心を傷め、疾風さんを動かしたらしい。『結婚したくなければ、本気でなんとかするだろう』とおっしゃっていたとか。

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