子作り婚の行方。～年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋～
「ランチはいつもどちらへ？」
　彼は外食をしているはず。

「だいたいいつも、すぐそこの定食屋ですね」

「そうですか」
　意外と普通なんですね。

　というと、今日の豪華ランチは私のため？
　だとしたら、なんだか申し訳ない。


「ところで桃井さん、その後、本当に大丈夫なんですか？」

「え？　何がですか？」

「危険な目には合っていない？」

「いえ、別になにも？　もしかして竜神さん。先週の飲み会の件をまだ心配してるんですか？」



　先週、秘書課の時野さんに食事に誘われた。

『美味しいお店を見つけたのよ、どう？　行ってみない？』

　てっきり食事なのかと思っていた。

　ところが指定された店に行ってみると、そこにいたのは時野さんだけではなくて、参加者の半分が男性で、私が入れば五人対五人の合計十人という合コンの席だった。

『あの、これは……』

　私は飲み会には参加しないと決めている。できればそのまま帰りたかった。

『ごめんっ円花ちゃん言ってなかったっけ？　とりあえず私の顔をたてて一次会だけでも参加してっ！　お願い、人数足りないのよ』

　先輩に頭を下げられては断れなかった。

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