子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
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足早に渡る朝のスクランブル交差点。
ただ今春真っ盛り、吹き抜ける四月の風は暖かい。
道行く人々のアウターは明るい色になり、そういえばスプリングコートを着ている人も少なくなったな、なんてことをぼんやりと思った。
ほどなくして到着したここは株式会社TATU。
食品を得意とする一流の総合商社である。
私、桃井円花は一昨年入社したばかりの二十四歳。身長一六〇センチ、どちらかというと痩せ気味。
ストレートの長髪を後頭部でまとめている。服装はグレーのパンツスーツという入社以来ほぼ変わらないビジネススタイルでの出勤だ。
足早に渡る朝のスクランブル交差点。
ただ今春真っ盛り、吹き抜ける四月の風は暖かい。
道行く人々のアウターは明るい色になり、そういえばスプリングコートを着ている人も少なくなったな、なんてことをぼんやりと思った。
ほどなくして到着したここは株式会社TATU。
食品を得意とする一流の総合商社である。
私、桃井円花は一昨年入社したばかりの二十四歳。身長一六〇センチ、どちらかというと痩せ気味。
ストレートの長髪を後頭部でまとめている。服装はグレーのパンツスーツという入社以来ほぼ変わらないビジネススタイルでの出勤だ。