子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
「チーズならたくさん買い置きしてあるから、好きなだけ食べていいぞ」

「このお酒は? グレープフルーツが入っているんですか?」

「ああ。グレープフルーツは二日酔いの予防になるからな。ウイスキーが少しだけ入ってる。もう少しくらいは飲んでも大丈夫だろう?」

「はい。大丈夫です」

 間を置いたせいか、まだまだ平気だ。

 グラスをかざしてみると、グレープフルーツのつぶつぶが揺れている。

「搾りたてだ、さっぱりするぞ」

 早速飲んでみた。

「おいしいー、ジュースみたい」

 竜神さんのグラスのお酒は色が違う。ウイスキーがたくさん入っているんだろう。

「本気で強いんですね、お酒」

「まあな。明日は休みだし」

 竜神さんがリモコンを押すと音楽が流れ始めた。

 私の知らない洋楽だ。心が癒されるようなバラードの調べは耳に心地よい。

 L字型のソファーの斜向かいに座る竜神さんは上着を脱いでいて、襟元のボタンをいくつか外しネクタイを緩めていた。

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