子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
「ごめんねー。じゃ、お先」
時野さんは忙しそうに先を行く。
「おはようございます」と顔見知りの先輩たちに挨拶をしてエントランスをくぐれば、中央に飾られた色とりどりの花々が、爽やかな朝の陽射しを浴びてキラキラと輝いていた。
よく見れば、葉や花弁のところどころにビーズがついている。
へえ、そんな細工がしてあるのね。
振り返って花を眺めつつ、エレベーターに乗りこんで向きを変えると、こちらに歩いてくる男性社員が見えた。
彼は通りすがりにビーズが光る花を一瞥する。
「あ、あの人、うわさの総務の彼じゃない? ね、桃井さん?」
第一営業部の女性社員がそう聞いてきた。
「はい。竜神さんです」
「そうそう、リュウジンさん。絵になるわぁ」
確かにそうですね。それには私も同意します。
豪華な装花に負けない華のある彼は、私と同じ総務課所属。竜神疾風(たつがみ はやて)、二十八歳。
時野さんは忙しそうに先を行く。
「おはようございます」と顔見知りの先輩たちに挨拶をしてエントランスをくぐれば、中央に飾られた色とりどりの花々が、爽やかな朝の陽射しを浴びてキラキラと輝いていた。
よく見れば、葉や花弁のところどころにビーズがついている。
へえ、そんな細工がしてあるのね。
振り返って花を眺めつつ、エレベーターに乗りこんで向きを変えると、こちらに歩いてくる男性社員が見えた。
彼は通りすがりにビーズが光る花を一瞥する。
「あ、あの人、うわさの総務の彼じゃない? ね、桃井さん?」
第一営業部の女性社員がそう聞いてきた。
「はい。竜神さんです」
「そうそう、リュウジンさん。絵になるわぁ」
確かにそうですね。それには私も同意します。
豪華な装花に負けない華のある彼は、私と同じ総務課所属。竜神疾風(たつがみ はやて)、二十八歳。