子作り婚の行方。~年上で暴君な後輩と、私の秘密の恋~
 うちの課長から秘書課の課長に話をして、試しにひと月変えてみようと決まったのだ。

 代わりの花屋をどうするか?となり、疾風さんが言い出しっぺなので彼に託したけれど、結局私も花屋選びに駆り出された。

 決めたのはすぐ近くの『紫viola』というフラワーショップ。ショーウィンドウのアレンジメントを毎朝素敵だなぁと思っていた。

 疾風さんも同じように思っていたらしく、迷わず紫violaにお願いした。

 彼らが飾り付ける初日の朝、早めに来て様子を見ると、中性的な雰囲気の店長と私と同年代の女性が、楽しそうに花を活けていた。できあがった装花は彼らの笑顔のように爽やかでお鼻も生き生きとして見事だった。

「一気に爽やかになったよな」

「うん。細く広がる枝ものは繊細なのに迫力があったし、グリーンが多めですっきりしてよかった。お花も伸びやかで清々しいし、あんなにロビンの雰囲気が変わるなんてちょっとびっくりした」

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