泡沫の恋は儚く揺れる~愛した君がすべてだから~
紗良の後ろ姿を見送りながら、杏介の頭の中は先ほどの紗良の涙のことでいっぱいになっていた。
(嬉し泣き……なのか?)
すんなりと納得できず、真意が気になって仕方がない。
確かに一人で子供を育てるのは大変なことだろうと思う。
母親なのに自信がない、とか?
母親に見られないことを悩んでいる、とか?
杏介なりにいろいろ考えてみるも、まったくもって答えに辿り着かない。
だけど理由を聞くのも何かおかしい。
杏介が首を突っ込むべきではないだろう。
(旦那さんが亡くなって必死で育てているのかな。だから経済的にも困窮してダブルワークをしているとか?いや、だとしたらスイミングスクールなんて通わない気もするし……いや、そういうものでもないか?)
ぐるぐると巡る思考で頭の中がパンクしかける。
考えたって何ひとつ答えは導き出せない。
ラーメン屋でアルバイト中、海斗はどうしているのだろう。
家で一人なのだろうか?
「……いや、まさかそんなわけないよな」
結局何もわからないまま、杏介は悶々とした気持ちで小さく息を吐き出し抹茶ラテを口にする。
「……甘っ」
甘いものは好きではない。
けれどこれを紗良も飲んでいるのかと思うと、妙に嬉しい気持ちになって自然と顔が綻んだ。
(嬉し泣き……なのか?)
すんなりと納得できず、真意が気になって仕方がない。
確かに一人で子供を育てるのは大変なことだろうと思う。
母親なのに自信がない、とか?
母親に見られないことを悩んでいる、とか?
杏介なりにいろいろ考えてみるも、まったくもって答えに辿り着かない。
だけど理由を聞くのも何かおかしい。
杏介が首を突っ込むべきではないだろう。
(旦那さんが亡くなって必死で育てているのかな。だから経済的にも困窮してダブルワークをしているとか?いや、だとしたらスイミングスクールなんて通わない気もするし……いや、そういうものでもないか?)
ぐるぐると巡る思考で頭の中がパンクしかける。
考えたって何ひとつ答えは導き出せない。
ラーメン屋でアルバイト中、海斗はどうしているのだろう。
家で一人なのだろうか?
「……いや、まさかそんなわけないよな」
結局何もわからないまま、杏介は悶々とした気持ちで小さく息を吐き出し抹茶ラテを口にする。
「……甘っ」
甘いものは好きではない。
けれどこれを紗良も飲んでいるのかと思うと、妙に嬉しい気持ちになって自然と顔が綻んだ。