泡沫の恋は儚く揺れる~愛した君がすべてだから~
翌週、ちょうど杏介が日曜日に休みがあり、それに合わせてウォーターパークへ行くことが決まった。

杏介が車で迎えに来てくれ、ご機嫌な海斗はジュニアシートを抱えてちゃっかり助手席をゲットする。

「車まで出していただいてすみません」

「これくらい気にしないでください」

「せんせー、はやくいこう!はやくいこう!」

「海斗、ちゃんと大人しく乗ってるのよ」

「わかってるよぉ。シートベルトした!」

「じゃあ出発するぞ」

紗良は後部座席から、今日がとても楽しい一日になるといいなと思いながら、海斗と杏介の会話を静かに聞いていた。

海斗は終始しゃべりっぱなしで、そのテンションの高さが伺える。
数日前から今日という日を指折り数えてきたのだ。

その海斗のテンションに呆れることもなく、杏介も楽しそうに話を合わせてくれている。

(さすが先生、子供の扱いが上手いわ)

感心しているうちに、あっという間にウォーターパークへ到着した。
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