俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
ひとりで納得している様子の善に日菜子はもう一度聞く。
「あの、本当に……善さんと南さんはどういう間柄なんですか。別に元恋人とかだとしても隠す必要は――」
(中野さんの言葉で、もう覚悟はできているし)
「ハトコだよ。親戚」
「う、嘘……」
善はクシャクシャと自身の髪をかき混ぜ、細く息を吐いた。
「南の両親は離婚してるから大狼姓ではなくなってるけどな。でも彼女の両親も南自身も大狼建設の株を保有してるから」
「知らなかったです」
日菜子は呆然とする。が、はたとあるシーンを思い出した。披露宴のとき、南は同僚として出席してくれたが、そういえば善の親族とも親しげに会話をしていた。彼女は社交的だから初対面でも打ち解けているのだとばかり思っていたが、もともと顔見知りだったのか。
「悪い。会社のやつらはみんな知ってる話だし、とっくに誰かが話してるもんだと思ってたよ」
「そ、そうだったんですね」
善はくすりと笑う。
「よりによって、俺と南の仲を誤解するとはな。男兄弟みたいな関係なのに」
腹を抱えている彼の姿に日菜子もドッと脱力する。
「あの、本当に……善さんと南さんはどういう間柄なんですか。別に元恋人とかだとしても隠す必要は――」
(中野さんの言葉で、もう覚悟はできているし)
「ハトコだよ。親戚」
「う、嘘……」
善はクシャクシャと自身の髪をかき混ぜ、細く息を吐いた。
「南の両親は離婚してるから大狼姓ではなくなってるけどな。でも彼女の両親も南自身も大狼建設の株を保有してるから」
「知らなかったです」
日菜子は呆然とする。が、はたとあるシーンを思い出した。披露宴のとき、南は同僚として出席してくれたが、そういえば善の親族とも親しげに会話をしていた。彼女は社交的だから初対面でも打ち解けているのだとばかり思っていたが、もともと顔見知りだったのか。
「悪い。会社のやつらはみんな知ってる話だし、とっくに誰かが話してるもんだと思ってたよ」
「そ、そうだったんですね」
善はくすりと笑う。
「よりによって、俺と南の仲を誤解するとはな。男兄弟みたいな関係なのに」
腹を抱えている彼の姿に日菜子もドッと脱力する。