俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
(一緒に暮らしているのに、少しでも早く会いたいって思うのはおかしいかな?)
善の車を捜して、足を速めた。
日菜子に気がついた彼が助手席の扉を開けてくれる。彼の顔を見るだけで、無意識に頬が緩む。
「善さん!」
「おかえり。楽しかったか?」
「はい。とっても」
助手席に乗り込んでシートベルトを締めると、日菜子は彼に香水のことを聞いてみた。以前は怖くて絶対に聞けないと思っていたのに、自分でも驚くほどあっさりと口にすることができた。
(今はもう、善さんを信じられるから)
「香水? いつ頃の話だ?」
「えっと、結婚式より前です。そうそう、善さんから式場が決まったと聞いたときだったと思います」
善は記憶をたどるような顔になって、「あぁ」とうなずいた。苦笑しながら説明してくれる。
「あの日は結婚式の話をするために実家に寄ってたんだよ。で、母親がフランス土産にもらった香水を日菜子にどうかって出してきたんだ。自分には若すぎるからって」
「お義母さんが?」
「けど、日菜子はそもそも香水をつけないし、香りも濃厚すぎて似合わないと思って断ったんだが……もらっておいたほうがよかったか?」
「いえ。そういうわけじゃなくて……」
善の車を捜して、足を速めた。
日菜子に気がついた彼が助手席の扉を開けてくれる。彼の顔を見るだけで、無意識に頬が緩む。
「善さん!」
「おかえり。楽しかったか?」
「はい。とっても」
助手席に乗り込んでシートベルトを締めると、日菜子は彼に香水のことを聞いてみた。以前は怖くて絶対に聞けないと思っていたのに、自分でも驚くほどあっさりと口にすることができた。
(今はもう、善さんを信じられるから)
「香水? いつ頃の話だ?」
「えっと、結婚式より前です。そうそう、善さんから式場が決まったと聞いたときだったと思います」
善は記憶をたどるような顔になって、「あぁ」とうなずいた。苦笑しながら説明してくれる。
「あの日は結婚式の話をするために実家に寄ってたんだよ。で、母親がフランス土産にもらった香水を日菜子にどうかって出してきたんだ。自分には若すぎるからって」
「お義母さんが?」
「けど、日菜子はそもそも香水をつけないし、香りも濃厚すぎて似合わないと思って断ったんだが……もらっておいたほうがよかったか?」
「いえ。そういうわけじゃなくて……」