俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
南は隣を歩く中野の横顔をじっと見つめる。
(見た目と中身のギャップという面では私以上よね……)
上司である中野佑士は食えない男だ。爽やかで好感度の高いルックスに人当たりのよい性格、何事もソツなくスマートにこなしてしまう。当然、女性にもモテる。
(なのに三十五歳の今も独身ってことは……きっと、かなり遊んでるんだろうな)
いかにもなモテ男より本当に女泣かせなのは、彼のようなタイプだ。この手の男に泣かされてきた友人を南はたくさん知っている。
「中野さん」
「なに?」
穏やかな微笑が返ってくる。
「どうして日菜子ちゃんにあんな意地悪をしたんですか?」
彼の瞳は少しも揺るがなくて、やっぱり食えない人だとあらためて思った。
「日菜子ちゃんは素直だから疑ってもいないようでしたけど……奥さんである日菜子ちゃんに聞かれたのに、どうして私と善は親戚だときちんと説明しなかったんです? 悪意しか感じないですよ」
悪気はなかったなどと、よく言えたものだとあきれてしまう。
(見た目と中身のギャップという面では私以上よね……)
上司である中野佑士は食えない男だ。爽やかで好感度の高いルックスに人当たりのよい性格、何事もソツなくスマートにこなしてしまう。当然、女性にもモテる。
(なのに三十五歳の今も独身ってことは……きっと、かなり遊んでるんだろうな)
いかにもなモテ男より本当に女泣かせなのは、彼のようなタイプだ。この手の男に泣かされてきた友人を南はたくさん知っている。
「中野さん」
「なに?」
穏やかな微笑が返ってくる。
「どうして日菜子ちゃんにあんな意地悪をしたんですか?」
彼の瞳は少しも揺るがなくて、やっぱり食えない人だとあらためて思った。
「日菜子ちゃんは素直だから疑ってもいないようでしたけど……奥さんである日菜子ちゃんに聞かれたのに、どうして私と善は親戚だときちんと説明しなかったんです? 悪意しか感じないですよ」
悪気はなかったなどと、よく言えたものだとあきれてしまう。