俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
反射的に目をつむったが、なにかが触れる感触はない。くすりと彼が笑ったのを察して、おそるおそる目を開ける。
「か。からかいましたね! もうティガのマネは金輪際禁止です」
ちょっと怒った声で返しつつ日菜子は身体を起こす。すると彼は苦々しい顔で日菜子を見やる。
「違う。モノマネでキスしたくない、そう思っただけだ」
日菜子の頬が赤くなる。
「そもそもキス自体が私たちの間にはありえませんからっ」
「そうか? どんなことにも絶対はないぞ」
彼はそれだけ言うとサッと身体を引いた。けれど、善が離れても日菜子の心臓はバクバクとおさまる気配もない。
(どうしよう……ティガよりかっこいいと思ったなんて……私、どうしちゃったんだろう)
それから三か月。
誰かと共同生活を送るなんて絶対に向いていないと思っていたのに、善との生活は想像以上に楽しく、いつの間にか彼の帰りが遅い日を寂しく思うほどになっていた。
リビングの壁掛け時計の示す時刻は午後十一時。日菜子はそれを見て小さくため息をついた。社長である善は多忙で、帰宅がこのくらいの時間になることは珍しくはない。が、そういうときは事前に教えてくれていた。
(今日は遅くなるとは言ってなかったけど、なにかあったのかな?)
「か。からかいましたね! もうティガのマネは金輪際禁止です」
ちょっと怒った声で返しつつ日菜子は身体を起こす。すると彼は苦々しい顔で日菜子を見やる。
「違う。モノマネでキスしたくない、そう思っただけだ」
日菜子の頬が赤くなる。
「そもそもキス自体が私たちの間にはありえませんからっ」
「そうか? どんなことにも絶対はないぞ」
彼はそれだけ言うとサッと身体を引いた。けれど、善が離れても日菜子の心臓はバクバクとおさまる気配もない。
(どうしよう……ティガよりかっこいいと思ったなんて……私、どうしちゃったんだろう)
それから三か月。
誰かと共同生活を送るなんて絶対に向いていないと思っていたのに、善との生活は想像以上に楽しく、いつの間にか彼の帰りが遅い日を寂しく思うほどになっていた。
リビングの壁掛け時計の示す時刻は午後十一時。日菜子はそれを見て小さくため息をついた。社長である善は多忙で、帰宅がこのくらいの時間になることは珍しくはない。が、そういうときは事前に教えてくれていた。
(今日は遅くなるとは言ってなかったけど、なにかあったのかな?)