俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
 彼の柔らかな舌が緊張をほぐし、官能を刺激する。

「んんっ」
「そういう声は初めて聞くな。あぁ、でも」

 善は身体を起こし、ひょいと日菜子を抱きあげた。

「ど、どうしたんですか?」
「せっかくのスイートルームだし、ちゃんとベッドに行くか」

 お姫さま抱っこで寝室まで運ばれる。窓の外に広がるキラキラとした夜景がやけにまぶしく感じた。クイーンサイズのフカフカのベッドの上にそっとおろされる。そのまま彼が覆いかぶさってきて、また唇を奪われる。優しいけれど、情熱的なキスに身も心もとろけていくようだ。

「あ、あのっ」
「なに?」
「シャワーとか……」

 こういうときは気にしないものなのか、経験のない日菜子にはよくわからない。彼はククッと楽しそうにほほ笑む。

「余計な時間を与えたら、日菜子は正気に戻りそうだからパス。今夜は……このまま俺に溺れて」
「あうっ」

 白い首筋を強く吸われて、日菜子は背中をのけ反らせる。彼の指が器用にブラウスのボタンを外していき、紺色の下着があらわになる。

 まじまじと注がれる視線に日菜子の頬は赤く染まる。

「……そんなに見ないでください」
「あぁ、悪い。あんまり綺麗だから見とれてた」

 ストレートすぎる言葉に顔が熱くなる。

「善さんは……口がうますぎです」
「そうか? 俺はむしろお世辞は苦手だけどな。綺麗だと思うから、そう言ってるだけだ」
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