俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
 翌朝。

 視線を感じて日菜子が目覚めると、善が甘い笑みで自分を見つめていた。

「な、なんで見てるんですか?」
「ん? 日菜子の寝顔がかわいいから。まだ寝ててもいいよ」
「そんなに直視されたら眠れません。というか……びっくりして、おはようございますも言えなかったし」
「あぁ、おはよう」
「……おはようございます」
「キスしていい?」
「ダメです」

 日菜子の即答に禅は拗ねたような顔になる。

「なんでだよ?」
「朝からドキドキして身がもたないからですっ」

 善は「ははっ」と幸せそうに笑う。

「じゃあこれで我慢しとく」

 言いながら日菜子の頬にキスを落とす。

(頬へのキスでも十分ドキドキするし!)

 
< 71 / 123 >

この作品をシェア

pagetop