俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
約束よりずいぶん早く到着した品川駅はとても混雑していた。ここでは善から電話がかかってきても会話にも困ってしまいそうだ。
(早く着きすぎたし、どこかのカフェにでも入って待とう)
善がいるはずのホテルのすぐ隣にたしか有名チェーンのカフェがあった。日菜子はそこで彼を待つことに決めた。
カフェの手前にある善がいるはずのホテルの前で、一度立ち止まった。ホテルの入口はガラス扉でなかの様子をうかがうことができる。
ゆっくりと視線を動かし彼を捜してみる。ちょうどそろそろ会合が終わる時刻だ。
「あっ」
ダメもとのつもりだったが、彼の姿を見つけることができた。善は背が高いしオーラがあるから人混みのなかにいてもよく目立つ。
(まだお仕事関係の人と一緒かな? 入って、声をかけても大丈夫だろうか)
そんなふうに逡巡したのにはわけがある。善が誰かを待っているような様子だったからだ。そして、その推測は当たりだった。
なにかに気づいた善が視線をそちらに向ける。彼が見つめる先にいたのは……。
「え……南さん?」
いつも隣で仕事をしているのだ。見間違えるはずはない。ライトグレーのスーツ姿の彼女が善のもとに駆け寄った。
(仕事、南さんも一緒だったのかな? でもそんな話は……)
日菜子と南は同じチームなのだ。彼女の仕事内容はおおまかには把握している。それに善も、南が一緒だとはひと言も言ってなかった。彼の性格なら話してくれそうなものなのに。
(早く着きすぎたし、どこかのカフェにでも入って待とう)
善がいるはずのホテルのすぐ隣にたしか有名チェーンのカフェがあった。日菜子はそこで彼を待つことに決めた。
カフェの手前にある善がいるはずのホテルの前で、一度立ち止まった。ホテルの入口はガラス扉でなかの様子をうかがうことができる。
ゆっくりと視線を動かし彼を捜してみる。ちょうどそろそろ会合が終わる時刻だ。
「あっ」
ダメもとのつもりだったが、彼の姿を見つけることができた。善は背が高いしオーラがあるから人混みのなかにいてもよく目立つ。
(まだお仕事関係の人と一緒かな? 入って、声をかけても大丈夫だろうか)
そんなふうに逡巡したのにはわけがある。善が誰かを待っているような様子だったからだ。そして、その推測は当たりだった。
なにかに気づいた善が視線をそちらに向ける。彼が見つめる先にいたのは……。
「え……南さん?」
いつも隣で仕事をしているのだ。見間違えるはずはない。ライトグレーのスーツ姿の彼女が善のもとに駆け寄った。
(仕事、南さんも一緒だったのかな? でもそんな話は……)
日菜子と南は同じチームなのだ。彼女の仕事内容はおおまかには把握している。それに善も、南が一緒だとはひと言も言ってなかった。彼の性格なら話してくれそうなものなのに。