俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
それから三日後、日菜子はようやく意を決して職場からもマンションからも少し離れたところにある産婦人科を受診した。もちろん善にはなにも話していない。
(気持ちの整理は全然つかないけど、これ以上赤ちゃんのことを後回しにするわけにはいかない。私が真っ先に考えないといけないことはこの子のことだ)
「大狼日菜子さん。お入りください」
「――はい」
尿検査とエコーの結果、妊娠六週に入ったところであることがわかった。
「ここが胎嚢。あぁ、胎芽もしっかり確認できますね」
エコー画像を見せてもらった瞬間、ゴチャゴチャした迷いは薄れて、『産みたい』という強い気持ちが前に出てきた。どちらかといえば感情が希薄なほうだと思っていた自分にも、母性本能が宿っていたことに少し驚いた。
母になった事実を突きつけられたことで、少しだけ冷静になれた。というより、本来の自分らしさを取り戻したといったほうが正確かもしれない。
(善さんに恋して浮かれすぎていたのかもしれない)
(気持ちの整理は全然つかないけど、これ以上赤ちゃんのことを後回しにするわけにはいかない。私が真っ先に考えないといけないことはこの子のことだ)
「大狼日菜子さん。お入りください」
「――はい」
尿検査とエコーの結果、妊娠六週に入ったところであることがわかった。
「ここが胎嚢。あぁ、胎芽もしっかり確認できますね」
エコー画像を見せてもらった瞬間、ゴチャゴチャした迷いは薄れて、『産みたい』という強い気持ちが前に出てきた。どちらかといえば感情が希薄なほうだと思っていた自分にも、母性本能が宿っていたことに少し驚いた。
母になった事実を突きつけられたことで、少しだけ冷静になれた。というより、本来の自分らしさを取り戻したといったほうが正確かもしれない。
(善さんに恋して浮かれすぎていたのかもしれない)