君の笑顔ではじける炭酸
「え~席替えをします。」担任が言った。
席替えはくじ引きになり、私は運命に委ねた。
クジ番号は6番。
窓側の席で、前から6番目の席だ。
私のとっては最高の席。
だけど、幼馴染の夏奈と席が離れてしまった。
夏奈は、席の移動が終わって授業が終わるなり、私の席に来た。
凪~‼︎ 夏奈は、いつも私の名前を呼びながら来る。
「ねぇねぇっ‼︎やばいィィィ‼︎また、稔くんと近くの席になっちゃったッ」そんなこと言われても、恋愛に興味のない私は「よかったね〜」と毎回適当かに受け流している。
夏奈は私なんかとは違い、乙女で、可愛いし、頭もいいし、運動神経もいい。
夏奈は、凪は好きな人いないの?と呑気に聞いてくるけど、いつも私は「いない」の一点張りだ。
青春は恋愛が全てとは思わないし、恋って色々大変だし、私には関係ないのだから。
でも、一回だけ本気で好きになった子がいたっけな。
名前も顔も忘れちゃったけど、好きになった事は忘れてない。