合意的不倫関係のススメ
私達はずっとこうして、お互いを尊重し思いやり、何でも曝け出しあって夫婦の時間を積み重ねてきた。私の一番の理解者は蒼であるし、同じように彼の一番の理解者も私。
そう、彼の全てを理解し受け入れることのできる人間はこの世でたった一人、私以外にはいない。
「デザートまで食べちゃった」
「全部美味しかったね」
「明日から気をつけないとすぐ太っちゃう」
レストランからの帰り道、私達は手を繋いで夜の繁華街を並んで歩く。私達はどこからどう見ても、仲の良い夫婦だろう。
少しでも見劣りしないよう私は外見にとても気を使っているが、それでも好みというものはある。私はあまり、派手なファッションやメイクが好きではないのだ。
なるべく地味にならないよう、心がけている。
「ねぇ茜。今日はホテルに行ってみない?」
色とりどりに光るネオンをバックに、蒼が微笑む。
「ホテル?」
「そう。例えば…」
ちらりと、彼の視線が横にずれる。その先には、滅多に行くことのないラブホテルがあった。
「いつもと気分変えられるかなって。だめ?」
「ううん、だめじゃないよ」
私達は子供がいないのだから、家でも構わないと思う。けれど蒼が望むのなら、私は拒否したりしない。
いつも優しい彼の瞳に一瞬色気が込もったことに気付きながら、私は微かに口角を上げたのだった。
そう、彼の全てを理解し受け入れることのできる人間はこの世でたった一人、私以外にはいない。
「デザートまで食べちゃった」
「全部美味しかったね」
「明日から気をつけないとすぐ太っちゃう」
レストランからの帰り道、私達は手を繋いで夜の繁華街を並んで歩く。私達はどこからどう見ても、仲の良い夫婦だろう。
少しでも見劣りしないよう私は外見にとても気を使っているが、それでも好みというものはある。私はあまり、派手なファッションやメイクが好きではないのだ。
なるべく地味にならないよう、心がけている。
「ねぇ茜。今日はホテルに行ってみない?」
色とりどりに光るネオンをバックに、蒼が微笑む。
「ホテル?」
「そう。例えば…」
ちらりと、彼の視線が横にずれる。その先には、滅多に行くことのないラブホテルがあった。
「いつもと気分変えられるかなって。だめ?」
「ううん、だめじゃないよ」
私達は子供がいないのだから、家でも構わないと思う。けれど蒼が望むのなら、私は拒否したりしない。
いつも優しい彼の瞳に一瞬色気が込もったことに気付きながら、私は微かに口角を上げたのだった。