戻り駅
周囲を見回してみると車は突っ込んできていなかった。
横断歩道の前でちゃんと停車して、信号機が変わるのを待っている。
運転席に座っているのは若い女性で、もちろんあの男ではない。
ホッと胸を撫で下ろして私は校門へ入っていたのだった。
「あ、琴音おはよ! 誠も」
二年C組に入るとすでに美紗が登校してきていた。その姿を見た瞬間なんだか言葉にならない感情があふれ出してきて私は美紗の体を抱きしめていた。
美紗は私の腕の中で「苦しいよ琴音、どうしたの?」と、混乱して、だけど嬉しそうな声を出している。
「なんだか美紗にすごく久しぶりに会った気がする」
「なに言ってんの。昨日一日会わなかっただけじゃん。土曜日は設立記念日のふりかえ授業があったんだしさ」
そういえばそうだった。
そんなことも、今はもう遠い昔のような気がしていた。
美紗から体を離してC組の中を見回して見ると、いつもと変わらない顔ぶれがある。それだけで私は胸いっぱいの幸せを感じることができた。
誠は良治と一緒に来週のシフトについて話し合っているところだった。
「あの二人って本当に仲いいよねぇ」
美紗が羨ましそうな表情で誠と良治を見てる。
横断歩道の前でちゃんと停車して、信号機が変わるのを待っている。
運転席に座っているのは若い女性で、もちろんあの男ではない。
ホッと胸を撫で下ろして私は校門へ入っていたのだった。
「あ、琴音おはよ! 誠も」
二年C組に入るとすでに美紗が登校してきていた。その姿を見た瞬間なんだか言葉にならない感情があふれ出してきて私は美紗の体を抱きしめていた。
美紗は私の腕の中で「苦しいよ琴音、どうしたの?」と、混乱して、だけど嬉しそうな声を出している。
「なんだか美紗にすごく久しぶりに会った気がする」
「なに言ってんの。昨日一日会わなかっただけじゃん。土曜日は設立記念日のふりかえ授業があったんだしさ」
そういえばそうだった。
そんなことも、今はもう遠い昔のような気がしていた。
美紗から体を離してC組の中を見回して見ると、いつもと変わらない顔ぶれがある。それだけで私は胸いっぱいの幸せを感じることができた。
誠は良治と一緒に来週のシフトについて話し合っているところだった。
「あの二人って本当に仲いいよねぇ」
美紗が羨ましそうな表情で誠と良治を見てる。