戻り駅
「二時!?」
時間を確認して思わず声をあげてしまった。
スマホの時計は間違いなく二時四十分を指しているのだ。
六時間目の授業が終わるのが三時十五分。
その後終わりのホームルームをして、教室を出るのが三時三十分くらいなのだ。
ここまで来て電車に乗っていた時間を入れればちょうど一時間前に戻っていることがわかる。
唖然としながらも足は勝手に学校へ向かって歩いていく。どんどん早足になるにつれて、膝の痛みがないことに気がついた。
確認してみると、すりむいて出ていたはずの血が出ていない。
それところが、どこにも傷は見当たらなかったのだ。
本当に時間が戻ってるんだ!
学校へ戻ると六時間目の授業をしている最中だった。
私は階段を駆け上がって二階の二年C組へと急ぐ。
後方のドアを勢い良く開けるとクラスメートと先生の視線を浴びることになってしまった。
みんな勢ぞろいしている光景にまたも唖然としてしまう。
「どこに行ってたのよ琴音」
美紗の呆れたような声にぎこちない笑いを浮かべて自分の席へと向かった。
私の席は空席になっていて、途中でどこかへ行ってしまったことになっているようだ。
過去に戻ることで、過去の自分と鉢合わせになるようなことはないみたいだ。
それでもまだ信じられない気分でクラスメートたちの顔を見回した。
誠と視線がぶつかって心臓が大きく跳ね上がった。
一瞬にして事故現場の様子が思い出される。
血にまみれた誠、目を閉じて救急車に乗せられる誠。
だけど今は違う。
時間を確認して思わず声をあげてしまった。
スマホの時計は間違いなく二時四十分を指しているのだ。
六時間目の授業が終わるのが三時十五分。
その後終わりのホームルームをして、教室を出るのが三時三十分くらいなのだ。
ここまで来て電車に乗っていた時間を入れればちょうど一時間前に戻っていることがわかる。
唖然としながらも足は勝手に学校へ向かって歩いていく。どんどん早足になるにつれて、膝の痛みがないことに気がついた。
確認してみると、すりむいて出ていたはずの血が出ていない。
それところが、どこにも傷は見当たらなかったのだ。
本当に時間が戻ってるんだ!
学校へ戻ると六時間目の授業をしている最中だった。
私は階段を駆け上がって二階の二年C組へと急ぐ。
後方のドアを勢い良く開けるとクラスメートと先生の視線を浴びることになってしまった。
みんな勢ぞろいしている光景にまたも唖然としてしまう。
「どこに行ってたのよ琴音」
美紗の呆れたような声にぎこちない笑いを浮かべて自分の席へと向かった。
私の席は空席になっていて、途中でどこかへ行ってしまったことになっているようだ。
過去に戻ることで、過去の自分と鉢合わせになるようなことはないみたいだ。
それでもまだ信じられない気分でクラスメートたちの顔を見回した。
誠と視線がぶつかって心臓が大きく跳ね上がった。
一瞬にして事故現場の様子が思い出される。
血にまみれた誠、目を閉じて救急車に乗せられる誠。
だけど今は違う。