戻り駅
☆☆☆
「さっきは一時間前に戻って無理だった。今度はもっと前に戻ったほうがいいのかな」
汽車に揺られ、外の麦畑をみながら呟く。
一時間前に戻る駅までの乗車時間は五分程度で、汽車はすぐに停車した。
「あれ、降りないの?」
ドアが開いても椅子から立ち上がろうとしない私を見て緑色のワンピースを着た精霊が声をかけてきた。
たしかこの子は運転手の右足だと紹介された子だ。
「今回は二時間目まで戻ってみるつもりなの」
「あら、そうだったの? それなら出発していいのね?」
「うん。お願い」
そう言うと精霊はパタパタと羽を羽ばたかせて運転席へと戻っていった。
やがてドアは閉められて、再び長いため息を吐き出すとゆっくりと汽車は動き出したのだった。
「さっきは一時間前に戻って無理だった。今度はもっと前に戻ったほうがいいのかな」
汽車に揺られ、外の麦畑をみながら呟く。
一時間前に戻る駅までの乗車時間は五分程度で、汽車はすぐに停車した。
「あれ、降りないの?」
ドアが開いても椅子から立ち上がろうとしない私を見て緑色のワンピースを着た精霊が声をかけてきた。
たしかこの子は運転手の右足だと紹介された子だ。
「今回は二時間目まで戻ってみるつもりなの」
「あら、そうだったの? それなら出発していいのね?」
「うん。お願い」
そう言うと精霊はパタパタと羽を羽ばたかせて運転席へと戻っていった。
やがてドアは閉められて、再び長いため息を吐き出すとゆっくりと汽車は動き出したのだった。