戻り駅
「うん……あのさ、今日は美紗も一緒にいいかな?」


「美紗も? まぁ、いいけど」


 私と二人で帰りたかったのか誠は少しだけ複雑な表情を浮かべた。


 申し訳ない気分になるけれど美紗の命には代えられない。


 私は教室を出て行こうとしている美紗に声をかけた。


「美紗、今日三人で帰らない?」


「え、私も?」


 美紗は驚いた表情でそう言い、誠へ視線を向けた。


 誠もうなづいている。


「でも私邪魔になるでしょう?」


「そんなことないよ。今日は三人で一緒に帰りたい気分なの」


 そう言って私は美紗の腕を掴んだ。一人で先に行ってしまわないようにだ。
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