戻り駅
一週間前
その駅の看板はもう読めなくなっていた。文字は削れ、さび付いて今にも落ちてきそうだ。
さっき車内で聞いたアナウンスではここは一週間前駅だと言っていた。
日にちを超えて過去に戻るのはこれがはじめての経験で、汽車から降りるときに少しだけ躊躇してしまった。
だけど考えている暇はないと自分を知ったして、下車したところだった。
一度汽車へ振り返ると運転席から六人の精霊たちが私を見送ってくれていた。
私は精霊たちへ向けて軽く手を振り、視線を前へと向ける。
後方で汽車が発信する音が聞こえてきて、すぐに遠ざかっていった。
乗客がいなくなったから、また無茶な運転をしているのだろう。
想像しながら駅を出ると少しだけ違う香りが掠めて行った。
一週間目の、六時間目が始まる前くらいの時間だ。
私は一度大きく息を吸い込んで一週間前ここに流れていた空気を吸い込んだ。
近くのパン屋から焼きたての香りがしてくるのは、午後から増える駅の利用者に向けてのことだろう。
派出所の前では警察官がおばあさんに道を教えてあげている。
そんな景色を横目に見て、私は学校へと足を進めたのだった。
さっき車内で聞いたアナウンスではここは一週間前駅だと言っていた。
日にちを超えて過去に戻るのはこれがはじめての経験で、汽車から降りるときに少しだけ躊躇してしまった。
だけど考えている暇はないと自分を知ったして、下車したところだった。
一度汽車へ振り返ると運転席から六人の精霊たちが私を見送ってくれていた。
私は精霊たちへ向けて軽く手を振り、視線を前へと向ける。
後方で汽車が発信する音が聞こえてきて、すぐに遠ざかっていった。
乗客がいなくなったから、また無茶な運転をしているのだろう。
想像しながら駅を出ると少しだけ違う香りが掠めて行った。
一週間目の、六時間目が始まる前くらいの時間だ。
私は一度大きく息を吸い込んで一週間前ここに流れていた空気を吸い込んだ。
近くのパン屋から焼きたての香りがしてくるのは、午後から増える駅の利用者に向けてのことだろう。
派出所の前では警察官がおばあさんに道を教えてあげている。
そんな景色を横目に見て、私は学校へと足を進めたのだった。