戻り駅
☆☆☆

 ついに何かが動き出している。そう思うと夜はなかなか眠れなかった。


 あれから何度か良治にメッセージを送ってみたけれど返事はなかった。警戒心を抱かれないように今日の授業内容や宿題についてのメッセージだったのだけれど、既読すらつくことはなかった。


 モヤモヤとした気持ち悪い気分と緊張感を持った状態で四日目の朝が来た。


 誠がひき殺されてしまうまであと三日だ。あと三日ですべてを解き明かし、そして計画を止めないといけない。


 学校へ行くと真っ先に声をかけてきたのは良治だった。普段誠を介してでないと会話をしないので、これには驚いた。昨日の出来事を警戒しているのかもしれない。


「昨日はメッセージ返さなくて悪かったな。スマホ見てなくてさ」


 頭をかいて謝ってくる良治に私は曖昧にうなづいた。


「昨日は忙しかったの?」


「あぁ、まぁ、ちょっと色々あってさ」


「それって、彼女とのこと?」


 あえてそう質問をすると良治は一瞬言葉に詰まった。真顔になり、視線をそらす。しかし、すぐに笑顔になった。


「まぁそんなところ」
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