戻り駅
「もしかして良治となにかあったの?」


 質問すると誠は唇を引き結んでしまった。


「ねぇお願い、なにか知っていることがあるなら教えてほしい」


「……言えない」


「どうして!?」


「言えばきっと琴音を巻き込むことになる。だから言えない」


 誠はそれだけ言うと、自分の席へ戻っていってしまったのだった。
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