戻り駅
☆☆☆

 時間が経過しても良治は学校に来なかった。


何度かメッセージを送ってみようかとも思ったのだけれど、誠の目があるのでそれもできなかった。誠からもなにも聞き出すことができないまま、昼休憩の時間になってしまった。


「琴音、今日も一緒に食べよう!」


 相変わらず元気な美紗がお弁当を片手に近づいてくる。


「うん」


 正直食欲なんてなかったけれど、少しでも食べておこうと思ってお弁当を机に広げる。


 お昼の香りが漂う中、誠が一人で廊下を歩いていく姿が見えた。今日はお弁当を持ってきていないみたいだ。


 私は特に気にすることもなかったのだった。
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