戻り駅
 しかし良治が部屋へ戻ってくる足音が聞こえてきたため、俺は本棚から一冊漫画を抜き取って真ん中のページを開き、わざと大きな声を出して笑った。


 部屋に戻ってきた良治はそんな俺を見て一瞬顔をしかめ、そしてすぐにスマホが光っていることに気がついて手を伸ばした。


 メッセージを読んだ良治の表情が険しくなる。良治は何度もメッセージを読み直し、そして頭をかいたのだった。
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