戻り駅
 その後少しの間があり、良治が男に琴音の写真を見せているのであろうということが伺えた。


「なかなか可愛いじゃないか。これならいい金になる」


「ちょっと待て、お前が付き合うんじゃないのか?」


 良治の質問に男は大きな声を上げて笑い始めた。心底おかしそうな笑い声に胸が悪くなってきそうな気がした。


「付き合う? 俺がこんな子供とか?」


「でも、じゃあ……」


「金と交換の女だぞ? そりゃあ俺も少しは楽しむとしても、金にしないと意味ないだろ」


 男の言葉に良治が黙り込んだ。


 どうやらあのメッセージ内容だけで、男が女子高生と交際いたいものだと勘違いしていたみだいた。


 しばらく沈黙が流れた。


「嫌ならやめてもいいんだぞ。取り分はみんなと同じだけになるけど」


「いや、大丈夫だ」


 返答の早さに俺は目を見開いた。


「琴音を紹介するから、その分取り分を増やしてくれ」


 なに言ってんだよ!


 塀に両手をついて二人の会話を聞く。
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