魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
そんなことをとりとめもなく考えていたら、なんだか自分がとてつもなく無駄な時間を費やしているように思えてきた。
もう少しだけここにいて、トイレに行くフリをしてそのまま帰っちゃおうか。
参加費は、その辺の人に渡していけばいい。
心の中で、地味に決意をした時。
「えー。でも、神凪さんみたいな超イケメンが、つなぎにヘルメットでグラウンド歩いてるなんて、もったいないなあ」
女性がボヤくような声が聞こえて、ジョッキを持った手がギクッと震えた。
「どうして? カッコいいでしょ。航空整備士」
それに答えた男性の声に耳を疑い、恐る恐る女性が群がる席に目を向けた。
「整備士もカッコいいけどお……神凪さんだったら、コックピットで操縦桿を握る、スマートなパイロットの方がイメージと言うか」
隣の女性が男性にしなだれ、媚びた目で呟く。
神凪さんと呼ばれた男性は、「はっ」と乾いた笑い声を漏らした。
「操縦桿握ってますよ。コックピットの点検に入るし、握るだけなら握れる」
さり気なく女性の肩を押し返し、のらりくらりと喋っているけど……。
私は、ポカンとしてしまった。
いやいやいや……なに言っちゃってんの?
もう少しだけここにいて、トイレに行くフリをしてそのまま帰っちゃおうか。
参加費は、その辺の人に渡していけばいい。
心の中で、地味に決意をした時。
「えー。でも、神凪さんみたいな超イケメンが、つなぎにヘルメットでグラウンド歩いてるなんて、もったいないなあ」
女性がボヤくような声が聞こえて、ジョッキを持った手がギクッと震えた。
「どうして? カッコいいでしょ。航空整備士」
それに答えた男性の声に耳を疑い、恐る恐る女性が群がる席に目を向けた。
「整備士もカッコいいけどお……神凪さんだったら、コックピットで操縦桿を握る、スマートなパイロットの方がイメージと言うか」
隣の女性が男性にしなだれ、媚びた目で呟く。
神凪さんと呼ばれた男性は、「はっ」と乾いた笑い声を漏らした。
「操縦桿握ってますよ。コックピットの点検に入るし、握るだけなら握れる」
さり気なく女性の肩を押し返し、のらりくらりと喋っているけど……。
私は、ポカンとしてしまった。
いやいやいや……なに言っちゃってんの?