魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
もがく彼女の首筋に顔を埋め、熱を帯びた耳朶を唇で掠める。


「か、神凪さ……」


戸惑い、震える声を聞きながら、俺は彼女の首筋から鎖骨へと唇を這わせていく。
抵抗のつもりか、椎名が俺の両肩を掴んだ。
しかしその手は戦慄くばかりで、引き剝がすだけの力にならない。


「知りたくて来たんだろ? 俺のところに」


俺は呼吸を乱して胸を喘がせる彼女を跨ぎ、膝立ちになった。
せり上がってくる凶暴な欲望と必死に闘いながら、ネクタイを解く。
急いて引き千切る勢いで、シャツのボタンを外した。


「俺も知りたい。お前の全部」

「っ……」


シャツを脱ぎ捨て、上半身裸になった俺に、椎名がひゅっと音を立てて息をのんだ。
慌てた様子で顔を背ける彼女に、俺は容赦なく覆い被さり――。


「本気で抱いてやるから、俺のものになれ。芽唯」


耳朶を唇で甘噛みしながら、その鼓膜に直接刻みつける。


「っ……」


椎名が、言葉に詰まる。
俺は許可を待たずに、服の裾から手を忍ばせ……。


「あっ、んっ……!」


欲望の赴くまま、彼女を暴いていった。
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